タウン情報誌の発行などを行っている企業から、取材先での撮影技術指導の研修講師依頼をいただいた際の、質問と回答事例です。
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質問内容【人物⇒目つぶっちゃう、笑顔を撮りたい】
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人物撮影については、とにかくたくさん撮ることが鉄則です。
特に、表情は【運】にも左右されるため、少ない枚数で狙い通りの写真を撮るのは至難の業です。
主に人物撮影を専門とする写真家は、何よりもコミュニケーション能力に長けた方が多いことを、わたし自身の経験からよく知っています。
さらに、相手がプロだと分かっていれば、「きっと上手に撮ってくれるはず」という、ある種の信頼もあるでしょう。
そのため、撮られる側の“照れ”や“恥じらい”も少なくなるのではないでしょうか。
相手の自然な表情を引き出すコミュニケーション能力や、「きっと素敵な写真を撮ってくれるだろう」と信頼を与えられるような振る舞いなど、純粋な撮影技術とは違う部分での“資質”のようなものによるところも大きいのではないか、と考えています。
もしも質問者様が、コミュニケーション能力にはそれほど自信が持てなかったり、カメラの操作や撮影の進め方などでも堂々とした振る舞いがなかなかできない、という場合は、やはり数で勝負するしかない、というのが正直な答えです。
連写機能を使うなど、時間内で許される限りたくさん撮影して、撮って撮って撮りまくって、その中から良い写真を探す、というのが、最も確率を高める方法だと思います。
その上で、ちょっとしたコツとしては、何か動きを指定してあげることです。
写真を撮られることに慣れている方なんて、滅多にいません。
どうしていいのかわからない方に、ただ立っていてもらうだけだと、ぎこちなく硬い表情になりがちです。
そこで、ポーズを指定するのですが、何かをやってもらう(ふりでもいいので)というのがいちばん効果を得やすいと思います。
普段の業務中の動きを再現してもらうなどすると、硬さがとれて、自然(いつも)に近い表情になることが期待できます。
また、撮られることに慣れていない方の多くは、手をどうしてよいのかわからないようなので、仕事に関係する何かを持ってもらうだけでも、不安が和らいで少し力が抜けるかもしれませんので、試してみてはいかがかと思います。
ガラッと発想を変えて、その場のスタッフさんなどに、シャッターを押してもらう、というのも“あり”だと思います。
必要なカメラの設定や試し撮り等をすべて行って、あとは撮りまくるだけ、という状態になったら、その場のスタッフさんにカメラを渡して、撮影してもらうのです。
カメラ位置や、被写体の立ち位置などを、ちょっと引いた(離れた)ところから指示するだけで、あとはスタッフさんに任せて、ガンガン撮りまくってもらいます。
普段一緒にいるスタッフさんと会話を交わしてもらいながら、さらに、取材者、被写体、スタッフさん、3人でのやりとりになることで、被写体となる方の緊張も、少しほぐれるかもしれません。
「こうすればバッチリ!」といった回答ができずにスミマセンが、“何かをやってもらっているところを撮る”というのは、相応の効果が期待できると思いますので、まずは試してみてください。
そして、どんな方法で撮影するとしても、次のふたつを、強く意識しておくことを忘れないでください。
・自信がなくても、それを悟られないように、堂々と振る舞う
・撮って撮って撮りまくる
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日本人はシャイな方が多いので、本当に難しいと思いますが、それでも何とかしなくてはならないのが、商用写真です。
もっともっと、役立つ回答ができるように、photo-zemi(フォトゼミ)も勉強を続けます。
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