photo-zemi(フォトゼミ)がこれまでにいただたご質問とその回答事例、料理写真の構図と配置についてのふたつの質問と、その回答事例を紹介します。
料理写真についての質問ですが、その他の商品写真にも当てはまることなので、ご自身が撮影する商材をイメージしつつ、ご覧ください。
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質問内容【料理写真を撮る際の物の配置や角度にいつも迷ってしまいます】
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photo-zemi(フォトゼミ)も同じです。
だから、常にたくさんの写真を見て、ヒントを探し、参考にしています。
とは言え、基本的な考え方はあります。
・主役であり最も目立たせたい料理(部分)をド真ん中に配置する【日の丸構図】
・画面を縦横に3分割して画面構成を考え、さらに、3分割した線の交点付近に、主役であり最も目立たせたい料理(部分)を配置する【3分割構図】
上の二つが、構図の基本中の基本と言われているので、まずはどちらかを意識して配置を考えることをおすすめします。
そのとき重要なのは「主役であり最も目立たせたい料理(あるいは部分)」をどう考えるかだと思います。
例えば単品の料理撮影なら、「その料理のどの部分を際立たせるか」と“全体”ではなく目立たせるべき“部分”を、文字通りピンポイントで決めます。
そしてその部分が上記の構図の考え方に基づいた位置になるように、カメラの高さや向き、及び、料理の向きなどを調整します。
また、料理全体、目の前に見えているモノすべてを、等しく見せよう、撮ろう、とした写真ほど、ユーザーにも広く浅く見えてしまうものだと思います。
強く深く印象的に見てもらうためには、「最も目立たせたい料理や部分」を決めて、それが最も目立つように、構図の基本に合わせて考えてみることだと思います。
複数の料理を並べて撮る場合でも、何を最も目立つ位置にすべきかを決めて、全体の配置を考えることが必要です。
複数の料理の並べ方にコツというか、パターンのようなものもありますが、それにつては、次の質問の中でお答えします。
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質問内容【定食の撮り方】
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定番の撮り方としては、「真上から撮る」です。
品数と内容の両方が分かりやすい写真となる、定食の撮り方の定番のひとつとなっているようです。
真上から撮影しない場合は、各料理の配置を考えることが必要です。
1)お盆は必須と考えない
お盆に乗せた状態では、各料理の配置に限界があります。
お盆の主な役割は、「配膳の利便性」「テーブルが汚れない」「衛生的配慮」と、その写真で必要とする結果とは直接的に関係のないことも多いと思います。
そうであるなら、配置に限界を作ってしまうお盆は、料理写真にとっては邪魔になる場合も少なくありません。
実際にはお盆に乗せた状態で提供される定食だとしても、お盆を使わずに撮影してもよいのではないかと考えます。
同様に考えると、箸やフォークなども除いてしまっても構わないと思います。
※お盆や、箸・フォーク等が、デザイン的に魅力的で、料理あるいは店舗の印象度を高められそうなら別です。
2)メインのおかずを最も目立つ位置に配置する
実際に配膳される状態そのままで撮影された料理写真も少なくありません。
当然のことですが、その場合、最も目立つのは、手前に置かれる、ご飯とみそ汁です。
ご飯とみそ汁が一番手前に写っていて、その奥にメインのおかずやサラダが脇役のように写っている料理写真に、どれくらいの方が魅力を感じるのか疑問です。(もちろん、ご飯(お米)が“ウリ”の定食なら話は別です。)
メインのおかずこそ最前列に置いて最も目立たせる、料理写真の鉄則と言っても良いのではないでしょうか。
3)料理同士を並列(真横)に並べない
定食のように、何品かの料理を撮影する場合、並べ方にもちょっとしたコツがあります。
主役となる料理の位置を決めたら、それを起点にして、次に目立たせたい料理は斜め後ろに置く、次はその斜め後ろに置く、というように、料理同士を並列になるように並べないことが、ひとつのパターンとされています。
そうして撮影すると、写真に奥行きを感じる結果となり、“シロートっぽい”印象が少ない写真になります。
実際に写真を使う際の、大きさ、縦横の比率によっては難しい場合もあるかもしれませんが、可能な限り、それぞれの料理を真横には置かないように配置していきます。
メインのおかず、小鉢、サラダ、ご飯、味噌汁、漬物など、各料理それぞれに“階級(優先順位)”を設定して、「偉い料理ほど前に置く」と考えるといいかもしれません。
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写真は、1枚の写真の中に写すべき被写体の数が多くなるほど、また、撮影範囲が広くなるほど、撮影の難易度が高くなります。
どんな構図で、どんな配置で撮影したらいいのか、迷ったときには、ぜひ画像検索やフリー素材のサイトを見てください。
そこには、プロのデザイナーやスタイリストが考えた構図や配置のヒントが満載です。
ご自身が撮影する商材や状況に合わせたキーワードで検索すれば、参考にできる写真がすぐに見つけられるはずです。
実際に“撮る”ことだけでなく、多くの写真を“見る”ことも、とても大切だと思います。
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