撮影セッティング・クイズ! あなたのお好みはどれ?「回答編」

昨日(3月25日)の投稿「問題編」の答えです。

A~E、5枚の写真、それぞれのセッティングについて、もう一度作例を見ながら、ご確認ください。(各作例は、サイズの変更以外、画像加工は一切おこなっていません。)


【作例A】

【回答】天井の蛍光灯照明だけで撮影

背景紙をセットして、天井の蛍光灯照明だけで撮影した結果です。


もちろん、蛍光灯照明は、ごく普通のものです。

特に可もなく不可もなくといった感じで、、確認用の写真と考えるなら、簡単な画像加工を加えるだけで、これで十分と言える場合もあると思います。


ただ、普通の蛍光灯照明は、人が暮らしやすいように作られています。光の当たり方にムラや強弱ができづらいのが特徴なのです。


そのため、被写体全体をバランス良く照らし過ぎているために、光の強弱による“メリハリ”や“陰影”がつかず、立体感を感じづらい結果になりがちです。


確認用などならいいかもしれませんが、印象度を高める写真にするのは、難しそうです。


【作例B】

【回答】箱型撮影ボックス再現パターン

最も簡単な商品写真撮影用アイテムとして知られている、箱型の撮影ボックスを再現して撮影してみたものです。


発砲スチロールのボードで被写体を囲んで、天井部分には、LED照明を組み込んでみました。


「作例A」と似た結果となっていますが、光源となる照明の面積が小さすぎるため、“硬い”印象です。

LED照明の光が、点々と写り込んでいるのも、ちょっと気になります。


照明の写り込みがあることで、被写体の光沢感、特に料理の場合は、瑞々しさが感じられる結果にできますが、中途半端な点々とした写り込みでは、そういった印象にはできません。


photo-zemiとしては、「作例A」の、天井照明の方が良いと思っています。


【作例C】

【回答】透過型撮影ボックス再現パターン

撮影ボックスが出回り始めた初期の頃は、周囲が半透過性の布で作られた製品がほとんどでした。

適当な布がなかったので、薄めの障子紙を使って、再現してみましたが、結果は予想どおり。


被写体全体が、ぼんやりとした写真になって、“メリハリ”や“陰影”は、ほぼ感じられません。

“写真を撮影した写真”といった感じでしょうか。


また、光源となる照明がないので、光沢もできないため、瑞々しさを感じてもらうことは、ほぼ不可能と言わざるを得ません。


透過型の撮影ボックスの典型的な結果と言えると思います。


別に照明を用意して、ボックスの外側から照らすことで、だいぶ結果が変わることが想像できますが、そのセッティングの手間を考えるなら、撮影用の照明を買ってしまった方が、コストパフォーマンス的にも、十分に“元が取れる”でしょう。


被写体の周囲を、透過性の布などで覆ってしまうのは、一般的な商品撮影では、避けた方が良さそうなセッティングだと思います。


【作例D】

【回答】窓際で天トレセッティング

photo-zemi(フォトゼミ)でも、何度か取り上げているセッティング「天トレ」です。


撮影範囲全体(写真全体)に、自然な陰影ができるので、被写体が最も自然な印象で見えます。


窓からの光の入り方で、写り方も変わると思いますが、やはり簡単に好結果を得るには、オススメのセッティングだと思います。


ただ撮っただけで(画像加工をおこなわず)この結果が得られるのですから、一度セッティングしてしまえば、次々に、商品を撮影していくことも可能でしょう。


また、ボックス型と違って、被写体を置く空間が十分にあるので、被写体を置く位置や向きなどの調整もストレスなくおこなえるのも、大きなメリットです。


“撮影用照明を持っていなかったら「天トレ」”、photo-zemiとしては、変わらず強くオススメするセッティングです。


【作例E】

【回答】撮影用照明

発光面積が40×40cmの「RIFA(リファー)-F」という撮影用照明を使っています。

メリハリや印象度といった点で、ほかの作例とは、明らかな差が出ます。

念のためですが、サイズの調整以外の加工は、一切おこなっていません。


さすが、商品撮影用に作られた照明だけのことはあります。


この写真では、被写体がしっかりと主張するように、背景をわざと暗めにしてみましたが、照明の角度を調整することで、背景の写り方も、ある程度コントロールすることができます。


商品写真撮影では、どんな質の光を、どこから被写体にあてるか、これが最重要であることはわかっていましたが、こうして比べてみると、より実感できます。


外の光の加減によっては、「天トレ」もかなり期待できる結果を、短時間で得られそうですが、残念ながら、天気や時間に左右されてしまって、撮影者自身がコントロールすることはできません。

そうなると、撮影用照明に頼らざるを得ないのがしかたのないところでしょう。


アマチュアが商品写真撮影をする際に、多用されていそうな撮影セッティングをいくつか比べてみましたが、結果の写真を見て、皆さんは、どんな風に感じられたでしょう。


100%の客観性を持った解説は難しく、主観が入り混じった解説となっていますが、どれかを押し付けるつもりも、否定するつもりもありません。

今後の、商品写真撮影のセッティングをする際に、少しでも参考になればうれしいです。


最後に、撮影用照明を使った写真に、簡単な画像加工(明るさ・コントラスト・彩度・シャープ)を加えた状態をご覧ください。

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