前回の「両端は本当に太って写るのか」に続いて、もうひとつ、スマホのカメラでの撮影について。(使用するスマホは「iPhone7」です。)
多くの方がご存じかと思いますが、スマホで写真を撮るときに、大きく写るように、拡大(ピンチアウト)して撮影すると、たぶんほとんどの機種で、画質が粗くなってしまうはずです。
まずは、本当に粗くなるのか、確かめてみます。
大きく拡大(ピンチアウト)して撮影するほどに、画質が粗くなり、ちょっと汚い印象になっていることがわかるでしょうか。
スマホで撮影した写真を、スマホの小さな画面で見るだけなら、「さほど気にならない」という方もいるかもしれません。
でも、ネットショップのように、商品の細部まで、できるだけわかりやすくきれいに撮る必要がある場合や、パソコンのディスプレイで大きく表示された画像を見てもらう可能性がある場合などは、粗さが気になってしまうでしょう。
プリントするとなると、なおさらです。
では、デジタルカメラの場合はどうでしょう?
ズームを使って、大きく写しても、画質が粗くなることはありません。
なぜ、スマホの場合は、画質が粗くなってしまうのか、その理由についてですが、難しいことではなく、その理由はいたって簡単です。
そもそも、スマホのカメラは、デジタルカメラのように、“大きく写すことができない”からなのです。
どういうことかというと、まずデジタルカメラの場合は、ズームを使って(望遠側にして)撮影したときには、実際にその大きさで記録しています。
でも、スマホの場合は、拡大(ピンチアウト)も何もせずに撮影した画像、そのサイズ以外の大きさでは写すことができないのです。
拡大(ピンチアウト)して撮るということは、その写真の一部分を無理やり大きく引き延ばして記録していることになるのです。
“布”を例にしてみましょう。
上の画像が通常の状態です。
この布を無理やり引っ張って、引き延ばしてみるとどうなるでしょう。
このように、織り目が延びて、目が粗くなってしまいます。
これこそが、スマホの拡大(ピンチアウト)撮影の原理に近いと言えるでしょう。
ちなみに、コンパクトデジカメでズーム操作をすると、画面の上や横に、帯状のズームの目安が表示されます。
その帯の2/3くらいのところに、境界線がある場合は注意が必要です。
帯の中の境界線を越えると、スマホと同じ状況になって、画質が粗くなっていきます。
ズームを使ったときに、本当に大きく写して記録できているかどうかの境界線が表示されているのです。
(機種によって粗くなり方の度合いは違います。また、どの程度まで許容できるかにもよるので、境界線を越えてはいけない、ということではありません。)
いずれにせよ、スマホで、できるだけきれいに撮影したいときには、拡大(ピンチアウト)撮影はしない方がよいのは、間違いありません。
特にプリントするときには、粗さがかなり目立ってしまうので、注意が必要です。
■■■補足■■■
新しいスマホは、レンズが複数ついている機種が増えていますが、そのうちのひとつは、拡大して記録できるレンズになっていることが多いようです。
つまり、望遠レンズを別につけておいて、通常撮影から切り替えることで、小さな写真を無理やり引き伸ばすのではなく、実際に大きく(拡大して)写して記録できるように改善しているのです。
これなら、画質が粗くならずに、きれいなまま大きく写せます。
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